『フラッシュダンス』(83)や『フットルース』(84)、『ダーティー・ダンシング』(87)――80年代に一世を風靡したアメリカ製ダンス映画を目指したプロデューサーは、イギリスのダンス・シーンでもっとも熱い“ストリートダンス”に魅了された。そして、そのダンス・ブームを牽引したのが、あのスーザン・ボイルを生んだ国民的人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」」だ! 映画に登場するサンプソン、ダイバーシティやフローレスはこの番組を通じてイギリス中の若者の憧れになった。
ブリテンズ・ゴット・タレント(Britain’s Got Talent)
イギリスのテレビ局ITVの公開オーディション番組。ポール・ポッツやスーザン・ボイルを世に送り出し、世界中の注目を集めた。審査員長は、アメリカの人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」などでも超激辛口でおなじみの音楽プロデューサーのサイモン・コーウェル。10年の4thシーズンまで務めた。
歴代優勝者:
07年 1stシーズン:ポール・ボッツ/歌手
08年 2ndシーズン:ジョージ・サンプソン
09年 3rdシーズン:ダイバーシティ (決勝進出:フローレス)
10年 4thシーズン:スペルバウンド/アクロバット体操チーム
11年 5thシーズン:ジャイ・マクドゥオール/歌手

イギリスを代表するストリートダンサーを求めて、何週間にもわたるオープン・オーディションが行われた。各地の会場に千人以上のダンサーが参加。ダンスはもちろん、演技もできなければならないという超高難度のオーディションを突破した本物のダンサーたちが出演を勝ち取った。
加えて、人気のティーン・ダンサー、ジョージ・サンプソンや世界覇者のステフ・グェン、長身のバレエダンサー役のレイチェル・マクドウォールなど監督がどうしてもと出演を望んだダンサーたちは個別オーディションを経て参加が決定。マシュー・ボーンの舞台に出演中だったリチャード・ウィンザーも、巡業先とロンドンを往復して何度にも渡るオーディションを突破、主人公たちのライバル“ザ・サージ”には、人気ユニット“フローレス”が抜擢されるなど最強のダンサーが終結している。
主人公カーリー役には、女優のニコラ・バーリー。子供の頃からダンスを習っていたものの、バレエやジャズが中心だったためこの役のためにストリートダンスを猛特訓。ハイ・レベルのダンサーたちを抑えて見事カーリー役をゲットした。
本作には3人の振付家が参加している。ストリートダンスを手がけたケンリック・サンディと、バレエを手がけたウィル・タケット、そして、2つのダンスが融合するフィナーレは、ダンス・カンパニー“ズーネーション”の創始者として知られるUKダンス界のゴッドファーザー、ケイト・プリンスが担当! これまで多くのダンス映画が作られてきたアメリカに対し、ダンス映画がまだ誕生していなかったイギリスの“今”と“伝統”の両方を伝えるべく、渾身のダンス・シーンを構築して世界を驚かせた。
作品の見どころのひとつはダンス・ファッション! 衣装デザイナーは、まずストリートダンスの衣装を徹底的にリサーチした。ロイヤル・バレエ・スクールや、ロンドンの街のストリートもチェック。さまざまなファッションがミックスされて、セクシーでクール。映画で使われた衣装は、撮影後に出演ダンサーの間で取り合いになったほど!
映画に起用されたインディーズのアーティストたちが映画の製作中に次々とブレイク! エンディング曲“We Dance On”や“Strong Again”のN-Dubz、ショッピングセンターで踊った“Cash In My Pocket”のWiley、“Tiny Dancer”でエルトン・ジョンと共にフィーチャーされているChipmunkなどは映画公開までにすっかりメジャーの仲間入りを果たした。
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ヒップホップとブレイクダンス、そしてポッピングとロッキングなどさまざまなジャンルが混然一体となったストリートダンスは、非常に複雑かつ緻密で肉体的にもハードなダンス。アメリカで生まれたこのダンスは即興と進化が最大の特徴でもあるため、今と80年代の一種アクロバティックなストリートダンスには大きな違いがある。チームで振り付けを揃えてショー形式で踊る、そんな現代のストリートダンスの最前線を描いたのが映画『ストリートダンス/TOP OF UK』だ。映画の中盤には、ストリートダンスを見たことがないバレエダンサーたちにいろいろなムーヴを踊って見せる手ほどきシーンもあるので要チェック!
2012年4月からは、全国の中学校の体育の授業でも習うことになるよ!
©Streetdance Distribution Limited / UK Film Council/BBC 2010